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パソコンの自作趣味にはまってしまった者には、「予算の許す範囲で最高のマシンを組み上げたい」という夢があります。サラリーマン生活で扶養家族がいる者にとっては、予算確保が一番の課題となってしまいますね。2005年に入り、今までメイン機として使用してきたDELLのPricision420MTも流石に限界を感じ、もともとDualプロセッサーシステムにこだわりを持つものとして、「いつかはXeonかOpteron」というのが夢になります。決してクロックが高いわけでもなく、アプリケーションを複数同時に稼動させることが少なければ、ほとんど価値のないDualプロセッサーシステム。今年は64bit版Windowsも販売が開始され、一度は試してみたいと考えていたXeonシステムに投資することにしました。
前述のとおり、予算がないのですから、部品の調達を最低限のコストでまかなうため、中古ショップやネットオークションをこまめに巡回します。勤務先が水道橋に変わってから、秋葉原は通勤のための乗換駅となり、勤務終了後10分で立ち寄ることができるようになりました。
中古ショップはもっぱらソフマップやジャンパラ、じゃんじゃん亭などを巡回しますが、新品でも取り扱い店舗が少ないXeon関係のパーツは、なかなか中古ショップに並ぶことがありません。
辛抱強く巡回すること2ヶ月。本当は、会社で使っているパソコンのCPUを20%ほど高速化を図るべくFCPGAのCeleron1.2G〜1.3Gを調達に向かったのですが、見つけてしまいました!「AsusのNCCH-DL!」ジャンパラ5号店で29,800円。新品の価格がブレスで36,800円だから、決してお買い得ではないのですが、7,000円の価格差を考えれば見っけ物です。ネットオークションでもなかなか3万円を切る価格では落札不能ですし、ワークステーションとして使おうと考えていたシステムだけに、サーバー用途のマザーボードが多いXeonは、AGPと64BitPCIを兼ね備えたボードが少ないのです。
IntelのEシリーズチップセットを搭載したSuperMicroやTayan・IWilなどのボードは、とてつもなく値が張るし、なにせ低コスト(予算がない)を目標にしているわけですから、適当なマザーボードを入手できるかが、大きなポイントになります。
ボードが決まれば石の調達です。こればかりは同じ性能で同じ特性のものが2個必要になるわけですから、中古市場をあさってもあまり効果が期待できません。最近のCPUはリテールパッケージといってCPUとクーラーがセットになったものが主流で、バルク品といわれるCPUのみのものは少なくなってきています。仮にロットが同じものが中古であって、CPUのみを購入してもクーラーは別に入手しなければならず、その価格も1個4〜5千円もすることを考えると、迷わず新品のリテールパッケージを購入するのが良いと考えます。まして、FSB800MHzのNoconaコアのXeonは、発売から1年を経過してもほとんど中古市場に出てきません。購入する人が少ないのだから、あたりまえといえばあたりまえですが。
早速、秋葉原に直行! ツートップでXeon2.8G(Nocona)を2個購入。購入価格24,800円×2で49,600円なり。このショップは店員さんが詳しくて、リテールパッケージのロットをチェックした後に、製造番号のもっとも近いものをわざわざ選んでくれます。とてもありがたいサービスですね。ついでに、DDRメモリーも2枚いっしょに購入(512MB×2枚)5,480円×2枚で10,960円。
OSも必要となる。Xeonのハイパースレッディングを有効にして、Dual構成で動かそうとすると、Windows server2003かWindowsXPのプロフェッショナル版が必須となる。安価な、WindowsXP
Home Editionでは4つのCPUとしてスレッドが認識されない。もちろんWindows2000でも不可になる。わざわざ高価なパッケージを入手する必要は全くないので、CPU・メモリーとセットでXP
Professonal (OEM)版を購入。19,000円なり。
ここまでの散財額=109,360円なり・・・たかーい!
それ以外のパーツは手持ちを転用することにした。もともとRaidシステムを計画していたので、ストレージ系はDVDドライブを除いてSCSIで統一。ビデオカードは、モニターが液晶のDVIを使用できるタイプのため、G550DHを転用。FDDやケースも手持ちのものを転用することとなった。
| パーツ区分 |
名称 |
| メインボード |
Asus NCCH-DL |
| CPU |
Intel Xeon(Nocona) 2.8GHz FSB800MHz
×2 |
| ビデオカード |
Matox G550 32MB DH D-sub+DVI |
| メモリー |
Hynix PC3200-512MB(DDR400) ×2
NoBrand PC3200-512MB(DDR400)×2 |
| DVDマルチドライブ |
Plextor PX-605A MatsushitaOEM |
| DVDドライブ |
Plextor PX-716A/JP2 |
| レイドカード |
LSI Logic Elite1600 128MB BBU |
| ハードディスク |
Fujitsu MAM-3367MP×2 Ultra160SCSI 15000rpm
Fujitsu MAN-3367MP×2 Ultra160SCSI 10000rpm |
| FDDユニット |
ノーブランド(不明) |
| PCケース |
YCC FWD-1000VWW |
| 電源 |
Zippy-460WS S-ATA |
■システム構成図
■Asus NCCH-DLの詳細
Intel82875P+6300ESB(HanceRapid)チップの変則構成によるメインボードで、正式にIntelから認定されたチップセット構成とはなっていない。i82875P(875P)は、本来パフォーマンスデスクトップ向けのMCH(Memory
Control Hub)であり、i82801EB ICH5(I/O
Control Hub)などと組み合わせて使用するチップです。PATと呼ばれるメモリー高速化機能や、DDRメモリーのDualチャネル化が可能なMCHとして、2004年に発表されました。
また、ICHの6300ESB(HanceRapid)は、7210や7520チップセットのICHとして開発され、本来875Pと組み合わせて使用するものではありません。PCI
2.2、PCI-X 1.0をサポートするため、32BitPCIはもちろん、64Bit-66MHzのPCI-Xを実現できます。

※Nocona、FSB 800MHz、DDR400に対応
800MHzのFSBに対応し、3.6GHzまでのNoconaコアXeonを搭載可能です。また、メモリはPC3200 Unbuffered
ECC DDR SDRAMに対応し、ハイパフォーマンスなサーバー環境を構築できます。
※ CSA接続のGigabit Ethernetポートを搭載
NCCH-DLはGigabit Ethernetポートを搭載していますが、その接続にはIntelのネットワーク専用バスであるCSA(Communications
Streaming Architecture)を使用しています。これにより、ほかのパーツや周辺機器などにデータ帯域を圧迫されることなく高速なネットワーク接続を提供することが可能です。
※ ATXフォームファクターに対応
NCCH-DLは、ATXフォームファクターに対応しているので、一般的なATXケースを使用することができます。ハイエンドなデュアルXeonマシンを自作したい場合などに、比較的手軽に使用できる自作PCユーザーにも使いやすいマザーボードです。
■Intel Xeon 2.8GHz(FSB800) Noconaの詳細
インテルのサーバー・ワークステーション向けのCPUで、XeonとXeonMPの2種類に大別される。
Xeonは2個2Wayまでの並列動作をサポートし、MPはそれ以上4Wayから8Way用が準備されている。
NoconaコアのXeonは、ハイパースレッディングとEM64T(64bit)をサポートするFSB800MHzのCPUで、90nmルールにより生産され、キャッシュを1MB内包する。
プロセッサの型番はSL7TB(リテールパッケージ)
Processor Frequency 2.80 GHz
CPUID String 0F41H
Package Type 604 pin PPGA
Bus Speed 800 MHz
Core Voltage 1.287V-1.400V
Core Stepping E0
Thermal Guideline 103.0W
Thermal Spec 72ーC
L2 Cache Size 1 MB
L2 Cache Speed 2.80 GHz Bus/Core Ratio 14
Manufacturing Technology 90 nm
となり、かなりの電気食いです。発熱も100Wを超えており、冷却にかなり気を使わないと熱暴走やCPUハングアップになりそうな感じです。
まして、このようなものを2個同時に動かすのですから、装着するクーラーの大きさも重さも半端ではありません。数グラムのCPUとずっしりと重い銅製の芯をもつヒートシンク、とても高速で回転するファンは、うるさいというより完全な雑音(爆音)となります。このため、NCCH-DLには、とても特殊なリテンションユニットが同梱されています。
通常のマザーボードは、ボード本体の剛性を利用してヒートシンクを装着しますが、NoconaコアのXeonはボードにヒートシンクを貫通させるための穴があいているだけです。したがって、リテンションユニットは、マザーボード下のケースに付属する金属製のベースボードに両面テープで接着してからヒートシンクを固定するようになっており、マザーボードに大きな力がかからないようになっています。
■LSILogic Elite1600 SCSIRaidの詳細
64bit66MHzのPCI-Xバスの性能を発揮できるSCSIレイドボードで、Ultra160(160Mbyte/sec)の転送を2チャンネル同時に可能です。キャッシュメモリーは128MB バッテリーバックアップを搭載しており、万一の停止時にも内容を保持できるようになっています。
Intel i960 RN Processor with a 100 MHz JX (RISC) Core
レイドコントローラーは、ハードディスクを複数以上使い、高速なアクセスを実現するか、2つ以上に同じ内容をもって安全性を高めるために使用します。今回は、単に高速化が目的のため、SCSIチャンネルを2チャンネル使い、Raid0で使用しました。Ultra320SCSI規格のカードはとても高くて手が出ません。このボード自体もネットオークションで29,000円(単なる贅沢品)で落札しました。定価で買えば15万円の超高級パーツです。
つらいのが、SCSIケーブルです。幸いなことに出前のジャンパラの籠の中に、68ピンケーブル4端子が1,680円でありました。普通に購入すると1本7千円程度かかります。SCSIターミネーターはジャンク屋を巡回して数百円で調達できました。ターミネーターは、SCSIディスクに内蔵されますが、信頼性を高めるため外付けを使用しています。

■富士通SCSIHDD MAM-3367MPの詳細
4枚プラッタで36GBなんていまどきなんとお粗末なハードディスクかと思われるでしょう?
今やATAの世界では400GBオーバーのディスクまで出ているのに、何で今ごろ36GBなのと思われてもしかたありません。このへんがこのシステムのこだわりです。
ハードディスクの高速化性能は、ディスクの回転数とプラッタの密度で決まります。
昨今主流のATAディスクは回転数が7200rpmでここ数年止まったまま。SCSIは10000〜15000回転がメインです。なかでもこのディスクは15000回転の高回転と、17,716
bit/mmという高密度が実現されています。
GMRヘッドと32/34 MEEPRMLの採用により高記録密度化に成功しています。
3.5型、25.4mm厚で36.7GBと大容量を実現しています。
回転数15,000rpm、平均シーク時間3.5ms、データ転送速度160MB/s(Ultra 160)と高速化を実現しています。
回路部品の集積化(LSI化)による部品点数の削減と最新技術によって加工された高品位部品の採用によりMTBF 1,200,000時間以上の高信頼性を達成しています。
要するに、高速で長寿命がSCSIHDDの特徴なのです。サーバーに多く用いられるのも納得できますね。
その分、放熱にも注意が必要です。
高回転=高発熱・・・熱くなると寿命も短くなるしリードエラーの多発も招く
ディスクの速さを示す数値にシークタイムというものがあります。
これは、円盤上を磁気ヘッドが移動してデータの読み書きができる時間を示したものですが、最新のATAディスク(300GB 3プラッタ 7200rpm)では9msですが、MAM-3367では3.5msと半分以下でアクセスが可能です。(1msは1/100秒)
このディスクをSCSIRAID0で構築すると、パフォーマンスがさらに向上します。RAID0(ストライプセット)とは、2台以上のディスクに交互にアクセスし、データを記録するのを分散します。したがって、ディスク1個ではデータの読み出し・書き込みはできませんが、2個以上を使用することにより、書き込み速度を理論的に2倍以上にすることが可能になります。
その高速化された分リスクもあります。ディスクが1台壊れたら、データの連続性が途切れるためデータの読み出しができなくなります。したがって、パソコンの起動もできなくなりますので、信頼性の高いディスクを使いましょう。巷ではやっているIDEレイドはとても危なっかしくてたまりません。IDE(ATA)なら、レイド構築はRAID1(ミラーリング)かRAID5(冗長ストライプセット)にしたほうが安全です。ATAディスクは本当によく壊れますよ。(経験上・・・・ご参考まで)
■大型アルミケース YCC FWD-1000VWW(Freeway)
放熱やドライブを沢山積もうとすると、どうしても大型のケースが必要になります。12センチ給排気ファンを搭載したこのケースは、だいぶ前にソフマップの見切り品として販売されていたものを転用しました。アルミ製でキャスター付き、ドライブベイも3.5インチがシャドーで5台、オープンで2台、拡張ユニットで2台、5インチベイが4台取り付け可能です。さすがに、12センチファンを普通にまわすとサーバー並みの騒音となるため、ファンコントローラーで回転数を落としていますが、ファンが大型のため冷却には全く問題がありません。電源も標準搭載では力不足と思い、460Wの手持ちを取り付けました。
ドライブを沢山搭載したため、4ピンのコネクターが不足してしまいました。S-ATA用の電源は多数出ているのですが、今回は全く使用するドライブを積んでいませんので役にたちません。
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