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「涼しくなる日帰りドライブ」
先週の土曜日、新潟県と福島県の県境にある、奥只見ダムに行って来ました。少し前に公開された映画「ホワイトアウト」の舞台になったダムです。解説によると、冬場の撮影は、この地域に生息する「イヌワシ」の保護のため、撮影許可が下りず、黒部川第4ダムで撮影が行われたようですが。
関越自動車道の小出ICから、国道352号線を湯之谷村方面に上ると、いくつも温泉が続く湯之谷温泉郷に入ります。道路には、冬場の積雪に備え、消雪パイプが埋め込まれており、このあたりの雪の深さを想像させます。葎沢、芋川、折立、大湯、栃尾又、駒の湯と続く湯之谷温泉郷は、奥只見ダムや、銀山平を経由して尾瀬へと続く、自然の美しい奥只見郷の入口にあたります。東京からは、関越自動車道で約200Km、上越新幹線の浦佐駅からバスで30分程度で温泉郷に入ることができます。
このあたりは、米どころの新潟県でも、トップブランドのお米、「魚沼のコシヒカリ」が栽培されている地域で、お米のおいしさには定評があります。小出IC近くにある道の駅「ゆのたに」の売店には、魚沼のコシヒカリをはじめ、地域の特産物やお土産を多く販売していました。特に、「おこめちゃん」というお米の一粒を模した人形付きのキーホルダーは、水色とピンクの2種類があり、とってもかわいかったですよ。
温泉郷を抜たあたりから、銀山平に至るまで、道は二つに分かれます。一つは、そのまま国道352号線を枝折峠を経由するグネグネ道コース。運転が得意で好きな人以外は通らない方が良いですよ。一つ間違うと谷底ですから。ちなみに、銀山平から小出方面への国道352の分岐点には、「運転に自信のない方は、シルバーラインへ」と警告がかかれているくらいです。
もう一つは、奥只見ダムまで続く「奥只見シルバーライン」を通るコースです。奥只見シルバーラインは、全長が約22Km。奥只見ダム建設のために、山をくりぬいて作られた長短19本ものトンネルが18Kmも続く道路で、昭和29年から約3年の歳月と、のべ180万人もの人たちによって作られた建設資材運搬用の道路です。 普通に見られるトンネルと異なり、大型のダンプカーが通行しやすいように、側壁が垂直で、天井が高い構造になっており、ナトリウム灯が配置されていますが、側壁が黒いことや、年間を通いてトンネル内部の湿度が高いことから、中はとても暗いのです。路面のコンクリート舗装は継ぎ目が多く、天井から流れ落ちる地下水の量も多いことから、かなり運転しにくいトンネルになっています。そのかわり、トンネルはほとんどが直線的に作られており、前を走る何百メートルもの先の車のテールランプが確認できるのは便利ですが、勾配の判断がつかないことから、スピードの出しすぎ(出すぎ)には注意しましょうね。
最初のトンネルから17個目の明神トンネル(3,920m)の真中あたりに、銀山平に出るT字路があります。ちゃんと点滅信号がついたきちんとしたT字路です。
(トンネルがつながっているので、17個目という意識はありませんし、17個目から19個目もつながった一つのトンネル(約10Kmくらいある)のように思えますよ)
銀山平方面に曲がると10m位で外にでます。真っ暗なトンネルを何キロも走り、いきなり明るいところで出ると、そのまぶしさもひとしおです。オマケに夏場の湿度が高い日には、トンネル内で冷えた車のウインドーが、外に出たとたん結露で真っ白になってしまいます。まさにホワイトアウトです。すぐ先がカーブして橋を渡るようになっていますから、ちゃんと結露を飛ばしてから走りましょうね。ちなみに、奥只見シルバーラインは無料ですが、冬場は閉鎖されてしまいますから注意してくださいね。
奥只見ダムの出口を抜けるとまたもやホワイトアウトになってしまいました。ここも、出口から数メートルで左に急カーブしていますから要注意です。
坂を降りること2−3分で、大駐車場があります。そこは、奥只見ダムのすぐ脇です。
奥只見ダムは、昭和35年に完成した、貯水量6億トン(幅15m、深さ1mのプールで、長さが4万キロ・・なーんと地球1週!)、高さ157m、幅480mの直線重力式コンクリートダムで、貯水量はアジア1位、高さも重力式では日本一です。
ダムの人造湖は奥只見湖と呼ばれ、湖面の標高が750m、湖の面積は11.5平方キロメートルにも及び、湖面遊覧船をはじめ、銀山平や尾瀬口に定期便も出ています。おすすめは、大型の外輪船で湖上を遊覧する30分コース。水源を尾瀬に発するきれいな湖面に映る越後山脈の姿を見ることができますよ。
駐車場からダムまでは徒歩でも登りで10分程度、電気式のケーブルカーみたいなトロッコで3分(100円)、村営無料バスでは電力資料館まで5分ほどで行くことができます。
また、駐車場には「岩魚の地獄焼き」を売る露天が並んでいます。きれいな水が勢い良く溢れ出す水槽から取り出された岩魚を、生きたまま竹串に刺して塩をふり、遠火でじっくり焼く上げたものです。残酷な感じがしますが、ドライブインの中にあるラーメン店や食堂で、お決まりのメニューを楽しむより、はるかに価値がありますよ。今なら夏休み特価で500円のところ100円引きの400円だそうです。
観光できるのはこんなもの、ダム中心の場所ですからしかたないかもしれません。
電力資料館の前庭に、このダムの工事で災害に会われた方たちの慰霊碑があります。漂うお線香の香りと、たった1本燈されたロウソクが、なんとも言えない雰囲気を作り出しています。帰りももちろんあの暗ーいトンネルを抜けて帰ります。奥只見シルバーラインはこのダムで行き止まりなのです。
尾瀬口方面に行くには、トンネルを銀山平で抜けて、更に只見川をさかのぼることになるのです。
帰りには、できるだけ小出方面に戻る車の後について戻られたほうが良いかと思います。
もしかすると暗闇を切り取るヘッドライトの中に・・・。
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