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「黒白フィルムを自分で現像してみよう その1」

 暑いですねえ。酷暑というのにふさわしい夏です。連日気温が35度を超え、日中炎天下を歩くだけで、上からも下からも熱気がまとわりつき、なんともかなわない嫌な暑さですが、みなさんいかがお過ごしですか?   昨日23日は、24気節の大暑にあたり、今ごろが年間を通して最も暑い時期だと言われていますね。こんな時期は冷房が効いた涼しい室内でもできる黒白フィルムの現像にチャレンジしてみてはいかがでしょう。

 黒白フィルムの現像は、カラーフィルムと異なり、比較的簡単なプロセスで処理が可能なことや、用意する機材が少なくて済むことから、高校などの写真部やサークルなどにおいても、写真撮影以外の写真の楽しみとして実施されることが多いのです。
 市中の写真店に依頼すると、カラー現像はすぐできてしまいますが、黒白現像は期間もかかり、最近ではあまり利用する方も減ったと言われれています。カラー写真が全盛の時代に、なんで黒白写真?と言われそうですが、自分で撮影した作品を最後まで自分で仕上げた時の感動は、また別格の価値があると思います。ぜひ、一度お試しください。

黒白現像に必要な機材

パトローネオープナー(通称:栓抜き・LPL製 1,300円)か、フィルムピッカー(通称:ベロ出し板・コニカ製 2,200円)
  パトローネからフィルムを取り出すのに使います。ペンチなどでも代用できますが、怪我をする恐れがありますので、できるだけ専用の物を準備しましょう。

薬品溶解用の1.5〜2リットルクラスのペットボトル5本(現像液・停止液・定着液・水洗促進液・仕上げ液用)とロート・2L程度のメスカップなど
  溶解した薬品をストックするのに使います。ペットボトル内で薬品の溶解も行えます。金属製のキャップのものは腐食するので使わないほうが良い。

現像タンク(初めての方はベルト式のほうが失敗が少ない・キング製 2,700円)
  35ミリ用1ロールタイプのベルト式がベスト。

洗濯ばさみ、棒温度計・キング製 600円、水洗用のビニールホースなど
  フィルムを吊るして乾燥するには洗濯バサミを活用。棒温度計は現像液の液温チェックに。水道の蛇口から直接現像タンクに注水できるビニールホースがあれば便利です。

ダークバック・LPL製チャンジバックM 3,600円
  全暗室環境を作りにくい一般家庭では、フィルムを現像タンクに移すときに絶対必要です。手探りの作業になりますが、冷房の効いた明るい室内で作業ができます。

現像剤(フジ ミクロファイン600ml・160円)、停止剤(酢酸1.5%溶液)、定着剤(フジフィックス1L・220円)、水洗促進剤(富士QW2L用×25入 1,290円)、水滴防止剤(フジ ドライウェル200ml・320円)
  薬剤は入手性の良いフジの製品をご紹介しています。水洗促進剤や水滴防止剤はなくても構いませんが、スポンジやスクイズセットで水滴を拭うより、斑や傷になりにくいため、ご使用になることをおすすめします。

※富士フイルムの黒白薬品の詳細はこちらをご覧ください

手始めに薬品の溶解をしてみましょう。

現像液・ミクロファイン 600ml(フィルム用超微粒子現像剤、粒状性は極めて良好です。)
  約50℃のお湯600ミリリットルを用意します。薬品は1剤ですので、攪拌しながら少しづつ溶かします。薬品を安定されるため、使用する前日に作っておきましょう。

停止液・酢酸15%溶液
  富士酢酸を使用する場合、水500ミリリットルに15ミリリットルの酢酸を溶解します。富士酢酸は水溶液ですから現像剤のように少しづつ溶解する必要がありません。

定着液・フジフィックス 1L
  30℃以下の水を1リットル用意します。薬品は1剤ですので全量を一度に投入し、よく攪拌してください。フジフィックスは、印画紙の定着にも利用できますから、引き伸ばしもチャレンジしようと言う方は、4L用(560円)などを購入すれば経済的です。

水洗促進液・富士QW 2L
  20〜40℃の水2リットルを用意します。薬品は1剤ですので、攪拌しながら少しづつ溶かします。温度の高い水を使うと、性能が低下したり変質しますので、注意が必要です。

水滴防止液・ドライウェル 200ml
  フィルム用には2リットルの水に10ミリリットルの割合(200倍)で希釈します。印画紙用には100倍の希釈で使用します。

フィルムをタンクに装填する練習をしましょう。

 現像タンクにいきなり撮影済みのフィルムをダークバックの中で詰め替えを行うのは無謀です。はじめてフィルムを現像する方は、明るいところで期限切れなどのフィルムを使い、現像タンクにフィルムを装填する練習をしておきましょう。

ベルト式現像タンクにフィルムを装填する。
  @フィルムピッカーを使いパトローネからフィルムの先端を引き出します。
Aフィルム先端部分の切り込みのある部分を鋏でカットして同じ幅になるようにしてください。
Bパトローネからフィルムを全部引き出し、フィルムの後端をパトローネの口で鋏でカットします。
C現像タンクからベルト部分を取り出します。
D現像スプールの芯の部分にあるクリップにフィルムの先端を引っ掛け、ベルトで挟み込むようにしながらスプールにフィルムを巻き込みます。
E現像タンクに現像スプールをセットしてタンクの蓋をしっかり閉じます。

 B〜E番の作業を本番ではダークバックの中で行わなくてはなりません。狭いダークバックの中で行う作業のため、ある程度練習しておくことをおすすめします。
 目を閉じて、B〜Eの作業が行えれば、実際に現像にチャレンジしてみましょう。

 次回は、現像のしかたについてご説明します。

※製品名に記載のある価格は、2001年7月24日現在のメーカー希望小売価格です。

 
   
 
 
   
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