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「ホタルの写真を撮ってみよう」
お客様から「もうすぐ螢が出てくる時期になりました。昨年は花火を上手く撮れて感激しました。今年は螢をぜひ綺麗に撮りたいと思っています。それでこの螢を上手く撮るコツなんかわかったらよろしくお願いします。」というメールをいただきました。ウレピーよう。
ちょうど、夏の風物詩をテーマとして取上げようと考えていたこともあり、早速社内を歩き回って情報収集しようと、その辺に詳しそうなネイチャー系にはまっているおじさんのところへ。
何と恐ろしや、ちょっと相談しただけで、あたかも事前に調べてあったかの如く、パッと答えが返ってくるではありませんか。
● ホタルを撮るにはホタルを知るべし!
国内に生息するホタルの主な種類は、ゲンジボタルとヘイケボタルが有名ですね。成虫の大きさはゲンジボタルで1.5〜2cm、ヘイケボタルは1cm程度になり、ともにメスのほうがやや大きめです。
発光器といわれる光る部分は、メスに対して空を飛び回り求愛するためにオスのほうの発光面積がより広くなっています。点滅回数は、ゲンジボタルが約20回/分、ヘイケボタルが約80回/分で、ヘイケボタルの方が目まぐるしく点滅します。
飛翔する時間帯は日没から午後9時頃までで、1匹が行動する時間は約20分程度と言われています。このため、午後9時以降に出かけてもホタルの飛翔を写真に収めるのはきっと難しいでしょうね。
● 撮影場所と天候に注意を。
ホタルの飛翔を写真に収めようとすると、どうしても長時間にわたりシャッターを開放することになります。このため、できるだけ暗い場所を選びましょう。撮影する場所が暗いのは当たり前ですが、カメラを向ける方角にも光源が無いほうが良いでしょう。道路脇や鉄道の近くなど、今光源がなくてもライトをつけた車や列車がいつ通過するかわからない場所も止めましょう。山かげや大きな木立、水面などを背景にすると、雰囲気のある作品が撮れるそうです。
また、天候により、飛翔する数が大きく違うようですので、出かける前に天気予報で情報収集しておきましょう。ホタルの飛翔が増えるのは、月明かりが少なく、風の少ない暖かめの日がベストです。風が強いと、葉陰に隠れていてあまり飛翔してくれません。もちろん雨の日も条件がかなり悪くなります。
● 持っていったほうが良いカメラと機材
カメラ本体は一眼レフカメラで長時間露光が可能なバルブモードのある機種がベストですが、30秒程度シャッターを開いておける機能があれば写真を撮ることには問題ありません。それと、最近のカメラは電池が無くてはまったく動作しないものが増えています。シャッターを電気的に開放する機種では、電池の消費も大きくなります。予備電池を必ずお持ちください。
レンズは、撮影する目的や状況によって変わりますが、1匹を接写するのでなければマクロレンズは不要です。標準レンズ1本でも十分撮影が可能です。
また、カメラを動かないように固定するために大き目の三脚と、ケーブルレリーズを一緒に持って行きましょう。
フィルムは、ISO400か800を、撮影場所の暗さ加減で使い分けするため、両方持って行かれる事をおすすめします。
● ホタルの撮影は難しい!
ホタルの写真は、写真撮影の中でかなり難しい分野に入るのではないでしょうか。
花火と違い、飛翔する位置や距離がつかみにくいことに加え、光源となるホタルそのものの光がとても弱いこと、ホタルそのものがとても小さいことなどがあげられます。
ここでは、飛翔するホタルを写すことを目的に撮影ガイドをご案内しますが、撮影場所の条件や月の有無、ご使用になるレンズなどにより、出来栄えが大きく異なることをお含み置きくださいね。
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これだけはお約束!
「フラッシュを絶対使わないこと」
これは、撮影者ばかりでなく、ホタル鑑賞に来た人たちや、肝心なホタルからも嫌われます。ホタルがなぜ光を放って飛翔するのかお解りですよね。そんな状況でフラッシュを使われたら、ホタルは葉陰に隠れてしまい、飛翔しなくなってしまうのです。もちろん、フラッシュを使ってホタルの弱い光がかき消されてしまうことくらい、皆さんにはお解りですよね。
「虫除けスプレー使用厳禁」
あたりまえですよね。したがって、虫に刺されたくない方の服装は長袖、長ズボンは常識です。
■ 比較的近くでのホタルの飛翔を写す。
ホタルが目の前を飛翔しているような数メートル範囲での撮影には、広角系から標準レンズを用い、広い範囲を写すようにします。撮影の距離は、マニュアルで3〜4m程度にセットしておいてください。
絞り値とシャッター開放時間は、飛翔するホタルの数により大きく異なりますが、あまり時間が短いと寂しい写真になってしまいますから、最低1分から数分程度はシャッターを開いておくようにしましょう。このときの絞り値は4か5.6程度に絞ってくださいね。あたりが真っ暗で光源がホタル以外に無いときは開放でも構いませんが、広角系はかなり周囲の光を拾いやすいので注意してくださいね。
露出時間が数分に及ぶ場合も、基本的に絞り値を変更する必要はありませんが、絞り値は周囲の明るさによって変わるものと考えてください。月夜など、周囲の状況が肉眼ではっきりと確認できるときは、絞りをもう1段程度絞ることをおすすめします。
■ 遠くを飛ぶホタルを写す。
ホタルまでの距離が10mを越えるときは、標準から中望遠のレンズを用いましょう。距離は10m以上無限遠までの間で、任意に選択してください。
絞り値は、レンズが若干暗くなると思いますので、できればISO800程度のフィルムを使い、F開放〜5.6程度まで絞りましょう。絞りを絞る理由は、ホタルの光を細く撮影するためと、長時間露光にあわせ、周囲の光の影響を極力少なくするためです。
通常の露出の組み合わせであるシャッター速度を早くすると、絞り値を少なくするという関係とはほとんど関係がありません。単に、絵心を大事にした撮影テクニックだとお考えくださいね。
■ 限られた時間で効率的に写す。
ホタルが飛翔する時間はかなり短く2時間が限界でしょう。そうなると、撮影場所を確保するにも予め目算をたてておく必要があります。近所で撮影が可能でしたらあまり問題になりませんが、ホタル祭りなどが開催されているところでの撮影は、夕刻までに場所取りを済ませておく必要がありますね。夜になってから、現地に行っても、一般の鑑賞客の方たちと一緒の回ることになり、効率的ではありません。おまけに、ホタルは水辺に生息する昆虫だと言うことをお忘れにならにように、ホタルに夢中になるあまり、「思わず足が水中に!」なんてことにならないようご注意を。
人が少なく、できるだけ暗く、かつ、ホタルの多い場所を探すことが、ホタル撮影の第1歩かと思いますし、かなり忍耐が必要なのかもしれませんね。
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