- Vol.57 -

「デジタルカメラは万能か?」

 時代はデジタル機器の全盛時代。そんな中であっても今人気のアイテムはデジタルカメラが上げられます。一見なんでもできそうなデジタルカメラですが、フィルムカメラを駆逐してしまうほど万能ではありません。そこで今回はフィルムカメラとデジタルカメラの構造的な部分を比較して、避けては通れないデジタルカメラの弱点をあえてピックアップしてみました。

デジタルカメラはノイズから逃げられない。
 皆さんご存知のように、デジタルカメラはCCDという光が当たることにより電気的状態の変化する素子を用い、その変化を内蔵されたコンピュータが読み取って画像データに変換しています。最近主流の高画素デジタルカメラのCCDは、カメラ全体の大きさを維持するため、かなり高密度にCCDの受光体を集積させる必要があり、ひとつひとつの受光体が以前のCCDよりとても小さくなっています。このため、ひとつの受光体が受ける光の量が少なくなり、それによって生ずる電気的変化の状態が極めて少なくなっていることから、内蔵されたコンピュータは受光体の少しの変化でも感知しなければならないことになり、この感度をアップすることにより、いままで感知できなかった画像に関係の無い変化まで感じ取ってしまうことになりました。これがいわゆる高画素CCDのノイズと言うものです。

 具体的には、暗い場所での長時間露光が必要な撮影や、黒い被写体などを撮影したときに、画像の一部に縦縞などが記録されることがあります。根本的にデジタルカメラは長時間露光(長い時間シャッターを開けて光を入れ続けること)が苦手な構造になっています。これは、銀塩フィルムを用いたカメラとの大きな違いです。銀塩フィルムは露光時間を延ばした分だけ、フィルムの感光が進むようになっており、いわば感光が蓄積される形で画像が記録されます。もちろん若干はカメラ内部の反射やフィルム面での光の散乱により、全く光のない部分でも感光が進むことがありますが、それを判別できるような状態になることはほとんどありません。ところが、デジタルカメラのCCDは受光体が光の状態を蓄積してゆくわけではありませんから、コンピュータが何度もCCDの電気的変化を読み取った結果を累積して画像を作成するため、CCDそのものが持っているシステムノイズの成分や、受光体相互の干渉などで発生するノイズ自体も蓄積され、暗部に縦縞模様として出現し目立つようになるのです。普通に使用する時には、画像の明るさや色調にごまかされ陰を潜めていたノイズが、画像全体が黒っぽくなる夜間の撮影や、天体撮影などではかなりはっきりとわかるようになってしまうのです。

デジタルカメラは電池なしでは全く動きません。
 皆さんレンズ付フィルムをご存知ですね。このカメラはフラッシュを使わない限り電源が不要です。
 シャッターは内蔵されたバネで開閉され、フィルムの巻上げは人力、フィルム自体は光さえあたれば感光しますから、全く電気がなくても写真撮影ができますね。
 一方、デジタルカメラで問題になるのが、あたりまえですがどうしても電気が必要だと言うことです。
 電化製品である以上、掃除機や冷蔵庫などと同じように電気がないと全く用を足しません。掃除機や冷蔵庫はコンセントから停電にならない限り電気の供給を受けられますから問題が少ないとしても、携帯電話に代表される外に持ち出す電化製品はどうしても電池との関係を切り離せないのです。
 「デジタルカメラは電気食いだ」とよく言われます。考えてみれば、デジタルカメラの仕組み自体が電気食いの部品で構成されていることに他ならないのです。CCD素子、データを読み取るコンピュータ、画像を表示する液晶画面、データを記録するメディアなど、どの部品を取ってみても電気を大量に消費する部品の塊なのです。特に専用電池を使用する機種においては、予備の電池が必須です。予想していた以上に電池の消耗が激しいと感じますのでお気をつけください。

画像を保管するにはパソコンが必須。
 撮影した画像を残しておくには、パソコンとバックアップメディアが必須です。フィルムカメラはネガフィルムを残しておけばいつでも焼き増しが可能ですが、デジタルカメラの記録メディアは高価であり、撮影したままの画像データの保管には向きません。このため、パソコンの内蔵ディスクに画像データを残すか、CD-RやMOなどにコピーして保存する必要がありますが、パソコンの内蔵ディスクはシステムそのもののトラブルやハードウェアの故障などによるデータ消失が考えられ、あまりおすすめできません。このため、実用的な保存方法はCD-RやMOなどのメディアに保管することになります。300万画素を超えるデジタルカメラの画像データは、1枚で2メガバイト弱のデータとなり、CD-R1枚(約640MB)にフィルム約10本分(36枚換算)位の保管しかできません。また、元の画像データがないと焼増し時に紙焼きプリントからのコピーになってしまい、画質的にはかなりデメリットが生じます。
 デジタルカメラの画像データはできるだけ加工前の元データでの保存をおすすめします。

 いろいろデジタルカメラの苦手な部分のみご案内してきましたが、みなさんご存知のとおり、長期間保存の必要性があまりない宴会写真や商品見本の撮影、子供の理科観察記録やいたずら写真などを、手軽に写して一回プリントなり閲覧すれば目的が完了してしまう時などは、撮影した画像全部にかかるフィルム代や現像料金が不要になること。また、誰もが一度はやってみようと考えるホームページへの画像掲載やメールへの添付などは、いちいちデジタル化の必要がないこと。撮影したときにすぐに画像を確認でき満足感を得られること、失敗写真を消去してしまえばその分だけメディアの再利用ができることなど、フィルムカメラに比べはるかに便利な点も多々あります。
 フィルムカメラ・デジタルカメラそれぞれの長所と短所を知った上で、目的に応じてカメラを使い分ける工夫が必要な時期が来ているのではないでしょうか。

 
   
 
 
   
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