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「独り言の多い会社」
「うーん、このカメラ予想以上に大きいなあ。」
「同じメーカーだから大きさもいっしょにすればいいのになあ」
「11.6センチの7.6センチだから・・ ウオー! こんなものか。」
「オ? 違うぞ! うん?」
カチカチ・・・←マウスをクリックする音。
当店のWebMasterがデジタルカメラのサイズ比較画像を加工しているときの独り言です。
「クリックしたら違うところに飛んでいってしまう。」
「うん? あれ、直リンクされてないなあ。」
「あーれ? うん? これかあ。」
当店のバイヤーがリンク先のサイトを見て、お買い得品の出稿をしているときの独り言です。
そんな言葉を聞きながら、おもわずニヤッと笑ってしまう僕がいました。
実は、当社の中にはこのような独り言を言いながら自分の業務に熱中する人がとても多いのです。おそらく僕も無意識のうちに、何かブツブツ良いながらやっているのだろうと思います。
この習性というか癖は、お店で写真のプリント作業を行っているときに育まれた癖ではないかと思うのです。ご存知のとおり、当社はカラー写真55分仕上げ「55DPEステーション」を運営する会社です。このため、営業からデスクワークの仕事に業務が変わっても、店頭でネガフィルムからプリンターという機械を使って、写真の焼付けを行うときについてしまった独り言を言う癖がなかなか抜けないのだと思います。
あるお店に仕事で立ち寄ったときに、そのお店に勤務する従業員さんからボソッと言われた事があります。
「この会社の人たちは、皆なにかブツブツ良いながら仕事するんですね。」
その従業員さんは、自分のお店の店長や、時々巡回でやってくる地区長がお客様の来店が多くプリント業務を手伝っているときに、なにか独り言を言いながら仕事するのを気にとめていたらしく、僕に話してくれました。
「そういえばそうですね。今まで気が付きませんでしたが、なにか皆言ってますね。」
それからしばらくはお店に行くと、このことばかり気になって、プリント作業をしている人を観察してしまいました。
少し前の写真をプリントする業務は、現在のようにプリンターに装備されたカラーモニターを見ながら行う作業ではなく、プリンター中央部の小さな小窓から横36ミリ、縦24ミリの小さなネガフィルムを覗き込むようにしてプリントの濃さや色調、焼き付ける位置まで全部手作業で調整していたのです。このような状況ですから、プリント作業を行う時は大変な集中力を要求される仕事だったのです。まして、他の従業員と話しながらできるようなものでもありません。ちょっと気を抜くと出来上がったプリントに偏ってフチがついてしまったり、濃度がめちゃくちゃになったひどい色の写真が続々と機械から吐き出されて来るのです。もちろん品質の悪い写真は再プリントと言って、品質検査を担当している従業員から戻されてくるのです。そうすると、その品質の悪い写真をもう一度同じ手間をかけて焼き直しを行う必要があるのです。別に作業を繰り返すことが面倒だからと言うわけではありませんが、焼き直し写真は検査担当者からの返品です。「おまえが下手だから焼き直しになったなのだ。ガハハ・・」と言うような声が聞こえてきそうな、とても気分が悪くなる作業なのです。こんなことを続けていたら、いつか爆発してしまいますよね。そんなとき気持ちが楽になるコツがあるのです。
そうです。隣にいる検査担当者に聞こえないように“独り言”を言うのです。決して悪口ではありませんよ?
特に、気分が滅入っているときの効果は抜群です。お店自体は、現像する機械の音が一定の騒音を発していますから、小声でささやく独り言やため息は聞こえるはずがありません。もっと開けっぴろげの人は、誰に向かうともなく「ウワー!」とか「コノー!」と喚かれる方もおられます。でも、周りの誰も気にしないのです。これがなかなか快感で、だいぶ気持ちが楽になって来るのですよ。
また、かけ声は困ったときの決断にも役立ちます。プリント作業の中で、あの茶色のフィルムから、お客様が撮影された写真の色を推測して“第6感”でプリントボタンを押すわけですから、今まで見たことが無い風景や食品の見本など、一度ご一緒させていただいたり、一口で良いから口にしてみたいような、まったく想像のつかない写真を焼かなければならないときがあります。
このような時は、どうせ一回写真にしてみないと結果がわからないわけですから、とりあえずプリントしてみるのです。おまけに、焼き増しなどで“1コマから10枚ずつ”などという注文で、お渡しまであまり時間が無いときは一発勝負になってしまいます。こんなときは、気合を込めてプリントボタンを「トーリャー!」とするわけです。結果が数分後にわかる単純明快な決断ですから、うまくいかなかったらカウンター越しからの“早くしてよ!”という視線を感じながらもう一度必死で再プリントをすればよいわけです。
皆さんの会社の人たち、どうですか?
どこか人間って「アーァ」とか「フゥー」とため息を漏らしたり、「ウゥー!」とうめいたりすると気分が楽になりませんか?
肩の力を抜いて気分をリラックスするときがなければ、だんだん緊張が高まって肩こりとかストレスがいっぱい溜まってしまいますよ。
突然ですが、カメラで写真を撮るときのカメラの構え方はまさにこの「アーァ」とか「フゥー」の後が良いのです。肩の力を抜いてリラックスした気分でシャッターを押せば、相手の方の微笑みも柔らかく自然な笑顔になって、かわいらしい1枚を撮ることができるでしょう。まさに、“以心伝心”ですね。
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