- Vol.39 -

「 メモリーのおはなし 」

 パソコンやデジタルカメラに無くてはならない「メモリー」。基本的にデジタルデータを記憶する部品ですが、データがデジタルですから、それは電気のONとOFF。要するに、電気のスイッチが入っているか切れているかを覚えている部品なのです。パソコンのメモリーはほとんどの場合、電源が切れると記憶も消去されてしまいますが、デジタルカメラで使われるスマートメディアやコンパクトフラッシュなどのメモリーは、電源が切れても消えることがありません。このため、デジタルカメラからメモリーだけ抜き取ってパソコンにセットしてデータを転送したり、お店に持って行って写真にプリント加工したりできるのですね。

 メモリーはよくバケツに例えられます。バケツに水が入っている状態をON、バケツが空の状態をOFFと考えると、メモリーそのものは入れ物で、中に入っている水が電気なのです。パソコンなどで使われるメモリーは、多くの場合電源を切るとバケツの底が抜けてしまい、中の水を維持することができません。このため、パソコンはプログラムなどのデジタルデータを電源が無くてもきちんと覚えておく磁気を利用したハードディスクが内蔵されているのですね。

 一方、デジタルカメラの場合は、ハードディスクを内蔵しているわけではありません。大きさの関係もありますが、パソコンと違ってデジタルカメラを動かすプログラムを、自分で自由に修正できるような機能が必要ないため、自由にプログラムを読み書きするハードディスクのような部品は必要が無いのです。その代わりに、電源が切れてもデータの消えない特殊な部品を本体に内蔵しています。もちろん、この部品もメモリーの一つで、工場から出荷されるときに底の抜けないバケツを作り水の入った部分と空の部分を作ってあるのです。皆さんが利用されているデジタルカメラのメモリーのように撮影データのように自由に消去したり書き込んだりできるものではありません。

 次に、このように記憶されたデータを読み出せなければ、記憶した意味がありません。水のいっぱい入ったバケツに更に水を入れるとどうなりますか?。そうです、水が溢れ出します。反対に、空のバケツに水を入れると水があふれ出ません。水が電気だったとすると、水があふれたバケツからは電気が流れ、あふれなかったバケツからは電気が流れません。電気の流れたバケツをON、流れなかったバケツをOFFと考えれば、記憶されたデジタルデータが読み出せるわけです。

 一般的なメモリーはバケツが碁盤の目のように並べられており、それぞれ縦と横にきちんと整列された雨トイが付いていると考えてください。縦一列のバケツに雨トイから水を入れて、横一列の雨トイから水が流れて来たら、その交差した位置にあるバケツには水がいっぱい入っていることになります。
 同じように、次の縦1列に水を流し、次の横1列から流れ出る水を確認すると行った具合に、順次水の入ったバケツの位置を確認すると、碁盤の目の中でどのバケツに水が入っているかがわかります。おおざっぱに言えば、水の入ったバケツの位置に黒い碁石、空のバケツの位置に白い碁石を置いて行き、碁盤を上から見ると白黒の画像のように見えませんか?。

 記憶するときは、一度全部のバケツの底を抜いて中の水を空にします。空のバケツに先ほどの読み出しと反対の要領で順次雨トイに指定された位置のみ水を流し込めば良いことになります。

 仕組みとして説明すれば、とてもシンプルな構造なのですが、スマートメディア8MBの容量で、バケツの数が6千7百万個以上必要になります。これをあのスマートメディアの切手のような入れ物に押し込むのですから想像を絶する細かさだということがおわかりでしょう。

 デジタルカメラに使われるメモリーをどうぞやさしく取り扱ってください。力を加えたり曲げたるすると、ちょっとしたことで大事なデータの消失につながりますよ。

 スマートメディアやコンパクトフラッシュが電源を切ってもデータが消えない仕組みについては、次の機会にご説明したいと思います。

 
   
 
 
   
  aosans.com