- Vol.31 -

「デジカメ質問集その1 『デジタルカメラの画像は何年持つの?』」

 このところ、大変多くのお客様から「デジタルカメラの画像は何年持つの?」とか、「デジカメを買いたいけど、新製品が次々出てきて迷ってしまう」、「記録メディアは何が良いの?」など、デジタルカメラに関する様々なお問い合わせを頂きました。

 日頃、パソコンでインターネットを利用している皆さんにとって、手軽に映像をデジタル化できるデジタルカメラは、ホームページやメールに使用するだけでなく、プリントしてお友達に渡したり、記録として半永久的に保存しておきたいなどの活用方法を考えて居られるのではないかと思います。

元のJPEG画像(低圧縮)
画像回転と高圧縮での保存を
繰り返した

 さて、一番問い合わせの多い「デジタルカメラの画像は何年持つの?」ということについて、少し考えてみましょう。ご存知のように、デジカメの画像はデジタルデータですから、基本的に劣化して次第に画像が薄くなったり、色が変わってしてしまうようなことはありません。でも、画像をソフトで加工して保管する際や、デジカメで撮影したときに、ほとんどのソフトやカメラは、"JPEG"というデータを圧縮して小さくすることを行います。これは、非可逆圧縮といい、データを小さくする時にある程度元のデータを削減してしまう方法なのです。このため、"JPEG"圧縮した画像データは、表示したときに元のデータには戻らないのです。これを何度か繰り返すと、次第にデータ自体は小さくなりますが、画像の品質が悪くなることになります。

 このような画質の悪化を防ぐ方法は、デジカメで撮影したデータを、データ量はたいへん多くなりますがそのまま保管できる"TIFF"方式などで保管し、そのオリジナルデータから、使用目的に応じてソフトで加工し、使用することにより防ぐことができます。デジカメの中には"TIFF"方式に対応しておらず、"JPEG"方式のみの機種もありますから、画質優先で画像を残したい方は、"TIFF"方式に対応したデジカメを選ぶ必要があります。もちろん、"JPEG"方式しかない機種でも、画質の悪化を最低限に抑えることができるスーパーファイン(高画質モード)などで撮影すれば、十分オリジナルデータとして使用することが可能です。

 次に、撮影したオリジナルデータの保管についてですが、前述のとおり、画質の良いデータはそのデータ量が非常に大きなものになります。このため、普通はデジカメの内蔵メモリー(記録メディア)に記憶しておくには、メモリーの記憶容量を非常に大きくとらなくてはなりません。したがって、現在のメモリーの容量が数十MB程度だとすると、200万画素クラスのデジカメの"TIFF"保管でデータの大きさが5MB程度になることから、数枚から十数枚程度の保管しかできないことになります。このため、撮影したデータをパソコンなどに転送し、容量に余裕のあるハードディスクやお馴染みのCD-R、MOなどに記録することになるのです。

 さて、本題の「デジタルカメラの画像は何年持つの?」についてですが、デジタルデータそのものは自然劣化することがありません。でも、メモリーやパソコンのハードディスク、CD-R、MOなどは、形があるものですから必ず壊れます。これが、データが消えてなくなるデータ損失になるのです。概ね、パソコンのハードディスクは数年程度、CD-Rで約20年、MOも同程度もつと言われています。記録されたデータそのものは、きちんと保管されるのですが、ハードディスクに内蔵されるモーターが回らなくなったり、衝撃によりディスクそのものが傷ついたりすることにより、データが読み出せないことになります。一見長持ちしそうな、CD-Rについても、データの誤消去は起きないものの、保管状態が悪く平面性が保たれなくなり、機械にセットできなくなったり、傷がつくことも考えれれます。また、データの記録面になる色素を塗布したアルミ箔をポリエステルでサンドイッチした形状をしているため、ポリエステル素材が経年変化により反りが出て、間に挟まっているアルミ箔に空気が触れて酸化し、サンドイッチ状態から剥離してしまうと言われています。
こうなると、機械にセットしてデータを再び読み出すことは不可能になってしまいます。

 仮に、保存状態が非常に良く長持ちしたとしても、現在の技術革新は以前よりはるかに高速化しており、CD−ROMやCD-Rを再生する機械が、全く違う形式に変わってしまうことも考えられます。かつて、溝のあるレコードがCDに変わってしまったり、家庭用ビデオでもベータ方式とVHS方式の2つの規格がありながらほとんどVHS方式に変わってしまったように、レコードやテープはあっても機械にセットできない事例があります。

 現在、画像データを半永久的に残すためには、元のデータがなくならないうちに、新しい記録メディアにコピーをとること。すなわち、バックアップを半永久的に行うしかないのです。

 保管データの量もデジカメの高画素化により必然的に増加する傾向にありますから、バックアップするデータも次第に大きくなってきます。記録メディアのダウンサイジング(小型高密度化)により、保管に要する体積は少なくなりますが、記録メディアそのものの劣化により消失するデータ量も多くなってきます。
 大切なデータこそ、こまめにバックアップをとることが、今考えられる最善の記録保存の方法ではないでしょうか。

 ちなみに、普段何気なく使っているカラーフィルムは画像の劣化はあるものの約50年、白黒フィルムは200年程度持つと言われています。新しい規格のものほど、記録として保持される期間が短くなってきているように思えてしかたありません。皆さんが赤ちゃんだった頃の写真、アルバムにちゃんと残っていますよね。

 次回は「デジカメを買いたいけど、新製品が次々出てきて迷ってしまう」とお悩みの方への回答です。

 
   
 
 
   
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