- Vol.25 -

「写真の構図の考え方」

 写真を見てよく撮れているといわれるテクニックの一つとして、主要被写体(主題)を画面にどのように配置するかという構図の良し悪しがあります。
 構図は、その表現したい主題に対して、撮影者がどのような気持ちを込めるかによって変わってきます。写真として安定していて落ち着いた写真を目指すのか、反対に不安定さを表現するのか、躍動感を出すのか、空間の広がりを表現するのかなど、様々な気持ちを写真に反映することができます。
 同じ主題を撮影しても、構図によりまったく違う雰囲気の写真を演出することができるのです。単に背景の違いだけでなく、主題を写す角度や光線の使い方などで色の表現を変化させたりすることも可能です。
 ここでは、構図の基本形と言えるものをいくつか紹介しましょう。

「三角形構図」
 被写体が画面内に三角形に配置された構図で、安定感を持っています。また、この反対に、逆三角形に配置すると、不安定さが強調され、動的なイメージを表現できます。
 不安定なグラスと不安定なガラス玉を三角形に配置することにより写真の重心が下よりになり安定感が増しています。反対にガラス玉がないとどことなく不安定な感じがしませんか?

「線による構図」
 画像を横切る線は、視線をその方向に導く力を持っており、水平方向の線は左右に広がりを、また、垂直方向の線は上下に伸びる感じを表現できます。

(縦方向の線による構図)
 木々の縦方向のスケール感が伸びやかなカラマツを演出しています。また、手前から少し弧を描いて後方に伸びている道が、後出の放射線構図として遠近感を表現しています。

(横方向の線による構図)
 ただのロープであれば画面をさえぎってしまう邪魔者にしかなりませんが、Tシャツを吊るしたことにより横方向への空気のスケール感を表現しています。Tシャツの色彩が青い空と白い砂浜をよりいっそう引き立てています。

「放射線構図」
 主に遠近感を表現するときに用いられる構図で、使用するレンズにもよりますが、広角レンズを使用することで、より遠近感のある写真になります。
 放射線構図で重要なことは、画面の安定感を維持するため、横切る水平線を画面下から1/3に抑えています。

「点による構図」
 点は、見る人の視線を集中させる力があり、平坦な背景の中に主題となるものを配置することにより、主題が強調されるようになります。主題の色彩やコントラストが強調される背景を選択できればベストです。

「面による構図」
 主に望遠レンズを使用した風景の切り取りなどのときに用いられ、平坦な画面の中に三角形や円形のコントラストや色彩の異なるものを配置し構成する構図です。
 作例のような丘も平坦な写真になりがちですが、日陰の部分とのコントラストや紅葉と緑の色彩の違が立体感を補っています。

「対象構図(シンメトリック)」
 上下や左右に対称な構図で、安定感があり落ちつた感じに仕上がります。よく見ることができる作例として、無風の富士五湖に映る逆さ富士のような写真があります。

 いかがでしょうか。最近のカメラはオートフォーカスが主流になりどうしても中心部でピント合わせを行うことが多くなったせいでしょうか、主要被写体が中心部にある写真が多くなってきているようです。同じように、中心部に主要被写体を収めても、この写真のように周辺にアクセントになるようなものを配置するなどの工夫でただの木の写真が夏のさわやかなイメージに変わります。
 また、中央に主題を持ってきたほうが安定する写真(花の接写などで主題が1つの時など)もあります。
 シャッターを切る前にファインダーの中に展開される画像を、どのようにイメージしてどのような構図によって切り取るかにより、同じ物を写してもまったく違った写真に仕上がることが多いのです。
 シャッターを切る前に、あなただけの写真をイメージしてみてはいかがでしょうか。
 きっと見る人にもあなたの気持ちがわかってもらえると思います。

 
   
 
 
   
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