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「もうすぐ七夕です。」
もうすぐ七夕です。この七夕は桃の節句や端午の節句と並ぶ五節句のひとつだとご存知でしたか?
七夕といえば、竹笹の枝に色とりどりに飾られる、願いをこめた短冊が思い浮かびます。また満天の星空を見あげ、牽牛と織女が年に一度逢瀬をはたす物語を子供のころに一度は聞かされたことがあることと思います。
天の川をはさんできらめく牽牛星(彦星)・織女星(織り姫)の物語。いまから2000年前にはすでに中国で成立していた伝説だといわれていますが、機織りに励んだ天上の織女にちなんで、星に技芸の上達を祈る宮中行事が生まれ、日本へは奈良時代に伝わり宮中の行事としてとりおこなわれるようになったようです。
古くは、古事記に記された天から降り立つ神のために美しい衣を織る棚機女(たなばたつめ)の伝説も、中国の織女の伝説と重なるものがあったはずです。
江戸時代になると、七夕の行事は宮中ばかりでなく民間にも広がり、笹竹に短冊をかざるスタイルもこのころ定着したようです。日本古来の伝承や風習と、中国の行事がうまく混ぜあわさったからこそ、七夕伝説は長いときを経ても語り継がれ、今でも笹竹に願いを込めた短冊を飾り、夜空の天候が気になるようになったことは日本人ならではの心の抒情詩ではないかと思います。
牽牛星(彦星)は、鷲座という星座の中にある「アルタイル」という1等星。織女星(織り姫)は、琴座の中にある「ベガ」という0等星のことをさします。また、「ベガ」は0等星ですから、この時期天の北半球では最も明るい星であり、別名「夏の夜の女王」とも言われています。
さて、年に一度だけ逢うことが叶うかもしれない二つの星の位置関係は、地球から「アルタイル」まで約17光年、「ベガ」までは26.5光年と言われています。二つの星と地球を結んだ2本の線分の角度は36.5度になりますから、二つの星の距離は約16光年になります。1光年が光の速さで進み1年かかって到達できる距離ですから、出会うためには16年かかることになります。ようするに、今夜空で輝いている「ベガ」の光は26.5年前に「ベガ」を出発した光であり、同じように「アルタイル」は17年前の光を今見ていることになるのですから、その距離はやはり天文学の数字で表現するしかないようです。
ついでに、二つの星座の間に横たわる? 天の川は、天の川銀河、「ミルキーウエイ」とも呼ばれていますよね。星のたくさん集まった「天の川銀河」は直径10万光年、中心部の厚み1.5万光年で、中心が膨らんだ凸レンズのような形をしています。
二つの星は、白鳥座の「デネブ」とともに夏の大三角形を構成する非常に明るい星ですから、天気が良いときは七夕でなくても見ることができます。もっとも、都会のネオンが明るい場所や、街灯がついている場所では夜空を見上げても見ることは難しいかもしれません。それ以上にいつまでたっても梅雨の明けない天候のほうがもっと気になりますけど。
江戸時代には、たらいに水を張り水面に映る彦星、織り姫、天の川の姿を眺めたそうです。夜風に波立つ水面の中で重なり二つの星が出会えたら、「今年はよかった」と思ったそうです。こんな風流な七夕あっても良いですよね。
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