- Vol.22 -

「レンズに書いてある数字ってどんな意味があるのですか」

 明日、6月21日は夏至です。夏至はみなさんご存じの通り、北半球では昼間が最も長く夜が一番短い日で、昼間の長さは東京で14時間35分もあります。冬至のときは9時間45分しかありませんから、実に5時間もの差があることが分かります。
 地球が自転する軸は、太陽の周りを公転する面に対して23.4度傾いています。そのため、1年間のうちに太陽は地球をさまざまな角度から照らします。夏至は、太陽が地球を北緯23.4度の北回帰線の真上から照らす時のことを言います。 このため、太陽の光がもっとも多く地上に到達する日であり、この頃がもっとも紫外線が強い時期でもあります。紫外線がお嫌いな皆さんはケアをお忘れなく。

 さて、珍しく数字ばかりの話題から始まったところで、今回はレンズについて少しだけ勉強してみようと思います。
みなさんの中には一眼レフカメラをお持ちの方も多いのではないかと思いますが、一眼レフカメラに付いている交換レンズには、それぞれ50mm F1.4とか28−80mm F3.5−4.5などの数字がプリントされていると思います。もちろんコンパクトカメラにも同じようにレンズの周囲などにプリントされている機種もあります。では、この数字はいったい何なのでしょうか。

 まず、○○mmと書いてある数字のほうですが、こちらはレンズの焦点距離のことです。焦点距離は、レンズの光学的な中心からフィルム面までの距離のことで、通常はmm(ミリ)で表示されます。この数字が大きくなるほど撮影倍率が大きくなり画角は狭くなります。反対に数字が小さくなると撮影倍率が小さくなり画角は広くなります。また、焦点距離50mmのレンズは、35ミリカメラで使用するフィルムの対角線の長さ(約43mm)に近いことから一般に標準レンズと呼ばれ、これより数字が大きなレンズを望遠レンズ、小さなレンズを広角レンズと呼んでいます。また、例にあげた28−80mmのようなレンズはズームレンズと呼ばれ、焦点距離を連続して変化させることができるレンズです。ズームレンズもやはり50mmを中心として数字が小さい方向で焦点距離が調整できるレンズを広角系ズームレンズ、50ミリ前後を含む範囲で調整できるものを標準系ズームレンズ、50mmより数字の大きな方向で焦点距離を調整できるレンズを望遠系ズームレンズと呼んでいます。
 
 次に、○○mmの後についているF○.○という数字ですが、これはF値(えふち)と言われ、レンズの距離を無限遠にセットしたときの、レンズの有効口径(光が入る最大の口径)を焦点距離で割った口径比を表しています。一般にF値の数字が少ないレンズほど明るいレンズと言われ、レンズを透過する光の量が多いことから、マニュアルフォーカスカメラではファインダーが明るくなりピント合わせがしやすくなることや、フィルムに到達する光の量を増やせることから、シャッター速度を早くして手ブレ防止にも役立ちます。

 さて、F値についてわかったところで、今度はレンズについている絞りについてです。
この絞りとはいったい何なのでしょうか。俗っぽく言えば、猫の瞳に言いかえられることが多いのですが、レンズの内部に設置された羽が絞りリングを操作することにより瞳のように閉じたり開いたりして光をさえぎり光の量を調整しています。それでは絞りリングに刻まれたあの不可解な数字は何なのでしょうか。そうです、4とか5.6とか8とか11と刻まれている数字です。
 この数字が表しているのは、数字が1ランク上がるとレンズを透過する光の量が半分づつに制限されると言うことです。ようするに、数字を4から5.6に変えると、レンズを透過する光は半分、4から8に変えると1/4になるようになっています。そうです、気がつきましたか? 絞りの値を一段上げるごとに、絞り羽でレンズの有効口径を制限して、光の透過するレンズの面積を半分づつにしているのです。つまり数値を2段上げると有効口径は1/4の面積になります。
 さて、不可解な数字についてですが、例えば焦点距離50mm 有効口径50mmのレンズのF値は1.0になります。このレンズの有効面積は円の面積を求める公式から、25mm×25mm×3.14≒1962平方ミリです。そこで、レンズを透過する光の量を半分にしようとすると、この有効面積を半分すれば良いことになります。(1962平方ミリ÷2)÷3.14で得られた312の平方根を求めると、このときのレンズの有効半径がえられます(約17.6mm)。まあ、難しいことはこれくらいにして、F値の数字の刻みはレンズに記載されたF値に2の平方根をかけた値が表示されているのです。ですから、1×1.41で1.4になり、1.4×1.41で2、その次は2.8、次は4・・・というような刻みになっています。

 どうですか? 写真ってなかなか算数の世界でしょ?
絞りの値を一段上げると、フィルムに光を当てる時間を2倍にしないと同じ明るさで写らないと言うことはご存知だと思います。最近のカメラは全部自動になってしまい、ピント合わせや露出の調整を行う必要がなくなってしまいましたが、たまにはマニュアルモードにセットして、絞りやシャッター速度をいろいろ変えながら同じ被写体を写し、出来上がった写真を比べてみると、ピントの違いや背景ボケの違いなど、今後の写真撮影に役立つことがわかるかもしれません。ぜひチャレンジしてみてください。

 
   
 
 
   
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