- Vol.12 -

「すこし気のはやい花火の撮り方」

 「さいたま新都心」街びらきを翌日に控えた5月4日、街びらきイベントのひとつ、大宮、浦和、与野の三市合同花火大会が荒川運動公園で開催されました。打ち上げた花火の数はなんと1万5000発。夕方、にわか雨が降ったため心配された夜の天候ははれ、また風も弱かったため、まーんまるな一足早い夏の風物詩を満喫することができました。午後7時から9時まで2時間の間、ほとんど切れ目無く打ち上げられた花火。打ち上げる場所が荒川の河川敷のため、周辺に障害になるような建物などがなく、規模の大きな花火(2尺玉)なども打ち上げることができますし、見物する立場からみればどの方向からみても良く見える花火大会なのです。

 さて、今回は花火を上手に撮影するためのポイントを少しだけご紹介したいと思います。
まず、撮影機材についてですが、これには一眼レフカメラが最適です。コンパクトカメラでも写せないことはありませんが、シャッター開放時間を設定することができなかったり、ピント合わせがうまく動作しない場合がありあまりおすすめできません。
 使用するレンズは、撮影する場所により異なります。花火大会の会場やその周辺では標準ズーム(28-80ミリなど)レンズがあれば十分ですが、数キロ程度離れた場所から撮影する場合はどうしても望遠系レンズが必要になります。また、露光時間が極端に長くなるので、手ぶれ防止のために三脚を使用することや、カメラに触れることなくシャッターを押せるレリーズ(リモートスイッチ)などは必需品です。

 まず、撮影する場所を決めましょう。これは重要なポイントです。花火は基本的に球形をしており、どちらの方角から見てもあまり形が変わりません。でも、火薬を使ってあの美しい光を演出しているためどうしても煙が出ます。この煙が厄介なもので、花火の光が煙に反射して黒い夜空を白っぽく映し出してしまうことがあります。できる限り風上を選び通行人が少く、周辺が暗い場所を選定できれば、ベストな場所といえるでしょう。

 次に、フィルムは一般的なISO100のフィルムを使用します。お店で多く販売されている感度の高いISO400などフィルムを使う必要はありません。感度が高いと撮影場所の周辺の光を拾ってしまう率が高くなり、プリントしたときに夜空と花火のコントラストが弱くなります。

 さて、問題の撮影方法ですが、カメラを三脚に固定してピントは無限大にセットします。AF機能のある一眼レフを使うときはAF機能を解除して、手動でピントを合わせられるようにします。自動露出機能も解除し、シャッター速度はバルブ(開放)か5〜10秒程度にセットしてください。レンズの絞りは撮影する場所が花火の開く位置から比較的近いときはF8〜11くらいに絞って撮影すると花火の光の線がくっきり細めに表現されるため、何発もの花火を重ね合わせると華やかな写真を撮影することができます。

 撮影する構図については好みが分かれるところですが、予め花火が開く方向にカメラを向けておき、最初の花火で構図を確認することになります。ただし、最近の花火大会は、一度に何発も打ち上げる乱れ打ちなどが多くなり、打ち上げ場所が数カ所になることや、演出のため、最初と最後に大きな花火を打ち上げる傾向があり、花火の開く高さに大きな差が生じます。乱れ打ちの花火はさまざまな色彩の花火を一度に撮影できるため、撮影者にとってはここ一番のシャッターチャンスになると思いますが、スターマインなどより高度が低い場所で花火が開くことが多いので、カメラをセットしなおしている間に終わってしまって後悔することにもなります。ある程度フレームの中にきちんと収まる範囲で撮影したほうがうまく撮れる確率が上がります。(ただし、迫力はなくなってしまいますが、)ようするに、「この位置に花火が上がるだろう」と「やま」をはるしかないのです。

 構図が決まったら、あとは花火が上がったらレリーズなどでシャッターを開放します。花火が消えるまでシャッターを開いていると花火が線を引いてしだれ花火のように写りますが、赤や青の色彩は黄色い火の色のようになってしまいます。また、いちばん開いているときだけシャッターを開けば菊の花が咲いたように写り、色も比較的忠実に再現することができます。

 何発も重ねあわせたい時は、花火が上がっていないときにレンズの前を黒い紙や布(光が漏れないもの)などで、遮光してしまえばシャッターを閉じているのと同じ状態になり、無駄な光の露光を止めることになります。このとき注意したいのが、カメラを動かさないことです。レンズをきちんと遮光する必要はありませんので、黒い紙ならばカメラに当たらないようにレンズの前に差し出すだけでもOKです。また、望遠系のレンズを使ったときはレンズフードを用いるとレンズの横方からの光の入射を少なくすることができます。しかし、重ね合わせる花火の数をあまり多くすると、光が煩雑になり何が写っているかわからない写真になってしまいます。

 最後に、写真を現像焼付けに出すときの注意をひとつ。お店で注文するときに、「このフィルムには花火が写っているので、写真を濃い目にプリントしてください」と伝えてください。あくまでも花火ですので、夜空は黒くなっている写真がベストです。夜空が白っぽく写ってしまっては、せっかくの花火が引き立ちません。

 ご参考になりましたでしょうか?、なに?時期的にまだ早すぎる?・・・
確かに2ヶ月ばかり気の早い内容になってしまいましたが、これを機会に今年は夏の夜空を飾る花火の写真にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

 
   
 
 
   
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