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| - Vol.6 - | |
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「新潟寺泊市場のベニズワイカニ」
国道402号線は、別名シーサイドラインと言い、新潟の市内から出雲崎まで海面と同じような砂浜と切り立った角田山や弥彦山を背にする海岸、その間を縫ういくつかの狭いトンネルが続く。この道を行くと、右はどこまで行ってもずっと波が白く砕ける日本海で、左側の景色だけが刻々と変わる。僕はこの道を通る度に、移り変わる景色をずっと眺めていたい、いつまで見ていても飽きることはないだろうなあと思う。もっとも、いつも自分で運転していて人に乗せてもらうことはないので、そういう機会には恵まれないが。特に今回のようにほとんど快晴に近い天気の日はいちだんと気分が良い。こんな日は、途中の角田浜や獅子ヶ鼻あたりで記念写真を撮ってから、目的地の寺泊の市場へ向かう。思わずアクセルを踏む右足に力が入りそうになるが、おっと今日から春の交通安全運動が始まったんだった。 寺泊といえば新鮮な海産物が有名だ。新潟観光の最後にお土産として立ち寄られた方も多いと思う。海産物の中でも、特にカニだろう。 カニの名前をいくつ言えますか? タラバガニ、ハナサキガニ、ワタリガニ、松葉ガニ、ズワイガニ・・・。何件も軒を連ねる市場の一角にある結構有名な鮮魚店のおばちゃんに、「おいしいカニある?」と尋ねると、「そうだねえ、タラバは今いいものがないから、今朝あがったベニズワイがいいよ」と答えが返ってきた。 海からあがったばかりのカニはグレーのような黒っぽい色をしている。脱皮をしたばかりだからではなく、もともとそういう色だ。少し残酷だが、生きたまま熱い湯の中に入れて浜茹でをすると、みるみるあの赤いカニ色に変わっていく。その様は、まるでカニそのものが興奮して赤くなっていくように思えるほどだ。 夕食の時間を待ちきれず、孫にせがまれたおばあちゃんが食べやすく調理したカニは、「いただきます」と「ごちそうさまでした」の間に何の会話もないまま、瞬く間に食卓から消えてなくなる。 |
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